本事業は、宇宙航空利用を新たな分野で進めるにあたって端緒となる技術的課題にチャレンジする研究開発、宇宙航空開発利用の発展を支える人材育成等、宇宙航空開発利用の新たな可能性を開拓するための取組を行い、さらなる裾野拡大を目的としています。令和3年度は、以下のプログラムに沿った課題を募集します。
なお、本公募は、令和3年度予算の成立を前提とするものであり、予算の成立状況によっては事業内容や事業予算を変更する場合があります。
(1)宇宙航空人材育成プログラム
宇宙航空分野における人的基盤の強化等の観点から、大学院生、大学生、高等専門学校生等の科学技術に関心のある学生(理工系等)を対象として、衛星、ロケット、航空等の関連技術や宇宙航空を巡る国際関係、関連施策等における実践的な取組(例:産業界等との連携、体験型学習)を通じて、宇宙航空に関する広範囲かつ高い専門性を有する次世代人材の育成を目指す。
(2)宇宙利用技術創出プログラム
衛星から得られたデータ等の宇宙科学技術を活用し、異分野シーズとの融合による新たな宇宙利用技術に関する研究開発を行うことにより、SDGs、気候変動、環境、交通・物流、生活環境、地方創成、安心安全(感染症対策を含む)、スポーツ、地理空間、DX等の様々な分野における実用化や海外展開につながる、新たな価値を提供する技術の創出を目指す。
(3)宇宙連携拠点形成プログラム
我が国の宇宙科学技術に関するポテンシャルを効果的に結集させ、持続的な研究開発体制、実用化促進、人材育成システムを有する環境を整備するために、産学連携による宇宙連携拠点を構築する。拠点において、大学等が持つシーズを基とした産学連携による出口を見据えた研究開発の実施や、社会的・産業的な視点を持った人材育成などに取り組むことにより、宇宙利用産業の発展や新産業の創出、社会的課題の解決に資する持続的な環境を構築することを目指す。
(4)宇宙探査基盤技術高度化プログラム
宇宙における探査活動において、月を目指す各国の動きが活発化している背景を踏まえ、我が国が強みとする地球低軌道の超小型衛星開発等で培われた大学等の技術を活用し、月探査に必要な超小型探査機等の基盤技術の開発や分野間での共有・利用を促進する。
基盤技術① 深宇宙探査向けの標準化システムバスの開発(様々なミッションに対応可能な汎用標準化システムバス、月科学ミッション用の高機能標準化システムバス等)
基盤技術② 衛星実装のためのインテグレーション技術・その他主要システム技術の開発(電源系等サブシステムの小型軽量化技術、月測位インフラの構築及びそれを生かした深宇宙超小型探査機通信系システムの開発等)
基盤技術③ 国際競争力のある汎用ミッション機器の開発(深宇宙向け超小型探査機に搭載可能な高機能観測センサ、高解像度カメラの開発、等)
(5)「人文社会×宇宙」分野越境人材創造プログラム
宇宙開発利用の領域が拡大し、宇宙活動が理工学領域のみならず、人文・社会科学領域の観点での活動も求められる中、将来の宇宙分野の裾野拡大や将来の宇宙分野における我が国のプレゼンスの強化を目的とし、以下の4プログラムにおいて、教育現場における宇宙教育コンテンツの活用を促進するとともに、ビジネスの国際展開や国際的な宇宙活動ルールの形成等を牽引する人文・社会科学系の高度な知見を宇宙分野に応用するための人材育成基盤を構築する。
プログラム① 宇宙教育コンテンツ活用人材育成プログラム:新学習指導要領に合わせ、小中高生向けの宇宙教育教材・カリキュラムの充実・強化とその普及を図る人材を育成するプログラム
プログラム② 宇宙ビジネス国際展開人材育成プログラム:将来の日本の宇宙機器インフラ海外展開を目指し、宇宙ビジネスの国際展開を牽引する人材を育成するプログラム(例:現地において日本の宇宙開発利用による課題解決の案件形成・コーディネートを行う人材の育成プログラム等)
プログラム③ 宇宙活動のルール形成を主導する人材の育成プログラム:宇宙関係の国際法・国際ビジネスルールの形成を主導する人材を育成するプログラム
プログラム④ その他:上記プログラム①~③には該当しないものの将来の宇宙分野の裾野拡大や将来の宇宙分野における我が国のプレゼンスの強化を目的とした人文・社会科学分野における人材の育成プログラム(例:宇宙活動における生命倫理や環境倫理の観点における倫理学を担う人材の育成プログラム等)
※プログラム②及びプログラム③については、海外との連携を奨励します。
公募要項をご確認ください。
原則として、1件あたり、以下のとおりとします。
ア. 宇宙航空人材育成プログラム 各年度上限2,000万円
イ. 宇宙利用技術創出プログラム 各年度上限2,000万円
ウ. 宇宙連携拠点形成プログラム 各年度上限5,000万円
エ. 宇宙探査基盤技術高度化プログラム 各年度上限5,000万円
オ. 「人文社会×宇宙」分野越境人材創造プログラム 各年度上限2,000万円
ただし、各年度における予算の状況等によっては、減額することがございますので、あらかじめご了承下さい。